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2011年03月03日

赤毛布の男と釣鐘マントの男

ネットの掲示板などでたまに見かける、「赤毛布の男」という未解決事件を語った都市伝説。
残忍なうえ、手口が凝っていてなかなか怖ろしいのだが、寓話的な美しさもあって、妙に惹きつけられるエピソードだ。ネットで流布されてる内容は以下の通り。

福井のある村で、ある小売商の家に夜半10時頃、訪問者があった。

本家からの使いです、といって表戸を叩くので、主人が起きて出てみると、赤毛布を頭からすっぽりかぶって、本家の提灯を持った男が軒先に立っている。本家で急病人が出たから、呼びにきたという。
 
彼は急いでその男とともに家を出ていった。
 
2、3時間後、また戸を叩く音がした。
 
出ていくとまた赤毛布の男である。彼は「病人はとても朝までもたなそうだから、女房も呼んでくれと言われ、迎えに来た」と言った。

女房は子供を親しい近隣の家にあずけて男と一緒に出ていった。
 
すると1,2時間たって、今度は子供を頼んだ隣家の戸を叩く者がいる。また赤毛布の男。
「両親が、子供も連れてきてくれというので迎えに来た」
と男は言った。

しかし、こんな夜中に子供に風邪をひかせては大変だし、もうぐっすり眠っているから明日にしておくれ、と言った。

男は再度頼んだが、彼女は頑として応じなかったので、帰っていった。
 
ところが数日後、この夫婦が惨殺されて河に投げこまれているのが発見されたのである。
 
犯人があの赤毛布であることは明らかである。
 
手口は、ひとりひとり誘い出すなど、念が入りすぎていることや、子供まで誘い出して殺そうとするなどから、恨みの深さがうかがえる。

なお、この事件は迷宮入りであり、犯人はわかっていない。



最近、松本清張の作で「家紋」という短編を読んだのだが、この話とほとんど同じものだった。
というか、この都市伝説は、この短編をさらに短く改変したもので、細かい部分がいろいろと違うだけだということが分かった。
ということで、松本清張の作が現実の殺人事件を基にしたものでない限り、この事件は実際のものでないばかりか、フィクションの二次創作ということだ。

ちなみに、「赤毛布」ではなく、原作では「頭巾を被った釣鐘マント」ということになっている。
都市伝説の方が不自然に思えるのがこの部分で、赤い毛布なんて被ってたら、気持ち悪くて警戒されるはずなのだ。
また原作では、男が2度来るのに対し、都市伝説では3度来ている。
このあたり、改変というよりは、うろ覚えで書いているので、いろいろ変なことになっているような気がする。
この作品は1990年にスペシャルTVドラマとして「火曜サスペンス劇場」で放送されたのだが、いろいろ問題があって(詳しく言うと内容のネタバレになってしまう)、再放送やソフト化ができなくなってしまった、いわくつきの作品であるらしい。

松本清張の原作では、このエピソードの後日談が描かれる。
そして、後半に犯人の驚くべき影が、少しずつ明らかになってくるのだ。
非常に不気味で美しく、しかも推理小説としても面白く出来上がっているのでおすすめ。




・松本清張「家紋」は、短編集「死の枝」に収録されている。


・市原悦子朗読のCD版
松本清張「家紋」 (新潮CD)



posted by kei-onodera at 18:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
古い記事にレスすみません。
これは実際にあった事件ですよ。
ある町の町史にも載っています。
http://www8.ocn.ne.jp/~moonston/country-b.htm

明治時代の事件で犯人も後で捕まっています。
清張がモチーフにしたのはこの町史を読んでと思われます。
Posted by まい at 2013年01月30日 19:07
青ゲット殺人事件
Posted by at 2013年04月03日 03:13
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